泳がせ釣りにおける誤解釈
一般に広く普及した泳がせ釣りに於て、昨今の放流鮎増加、環境の激変を考えると間違った解釈で泳がせ釣りと解釈しアユ釣りする傾向が有る。
この問題で一番大きな間違えは一般に広まった時点で単なる"泳いでます釣り”と誤解釈している点である。
更に付け加えれば鼻カンを主体とした仕掛け自体の発達が”泳ぐ=簡単”に特化したことが要因ではないのか?
近年、泳がすだけでなくその場に留める技術が要求されながら違う方向に進化した仕掛けにも問題は有りそうだし、それを”アユ釣り”と言わんばかりに紹介するマスメディアにも問題は有る
アユ釣りの基本は”張らず緩めず”だが、昨今をみると異常に緩めたいわゆる”おばせ”た状態が多い、この状態でも遡上鮎が多く釣り人が少ない地方の河川に於ては特に問題とならないレベルで釣果は有る
しかし一度、渇水、増水など自然現象に起因する原因から追いが極端に悪くなると釣果は激減する。
また、自然遡上が少ない閉鎖された水系(ダム、堰堤、極端な山間部上流域)などにおいては、放流鮎に釣りは依存し総括的に初期とその後では釣果に大きな開きが出る。
これは、自然遡上河川に比べ絶対的数量が不足し、釣り続けることで”追い”の活発な鮎が減少する
或いは、現状では確かな確証は出ていないが”放流鮎の追いが悪くなった”ということが要因となる。釣り方による対策
最近、良く言われる”止めの釣り”という釣法があるが、何も最近開発された釣法で有るわけではない、アユ釣りにおける釣法とはすべて”口伝”により継承されたものであり、昨今のアユ釣りブ−ムに置いて文章化される際、著者により記述されなかった部分ではないのかと記憶する
当方がその点について特に精通していると言うわけではないが、特に釣法に注意していることが大きな釣果の差となっている
記述の文章は水中を想像して、画像は水中のイメ−ジ
当然水流抵抗が糸に緩やかなカ−ブを付けるその違いとは
一般に認識された”泳がせ釣り=泳いでます釣り”は”おばせ”が大きいのである。
アユ釣りの基本(コントロ−ルした泳がせ釣り)は以下のように鮎と釣り人を結ぶ水中糸のテンションの違いに有る。
(テンションと糸にかかる水流抵抗が泳がせているのである)
”泳いでます=泳がせ”
この場合、水中糸にかかるテンションが緩く釣り人の認識する目印より遥か前方に鮎は泳ぐことになる。
つまり、泳がせる動作=糸にかけるテンションはすべて鮎が前方に逃げようとする力=コントロ−ル不能として働く。
こうなると鮎が走りだし止まらない。
勿論、野鮎(釣り上げたばかり)でなければそれほど走らないこと言うまでもない。
糸にテンションが働いた水中糸
糸にテンションが働きコントロ−ルされた場合である
この状態では、鮎の動きはゆっくりとしているが”止め”の釣りとは言わない、あくまでも前方に泳ごうとする傾向が強い、さらに追われて速度を増す、側方に逃げるなどコントロ−ルしていると言えない状態となる
”止め”動作に近い糸のテンション
”張らず、緩めず”のテンションを保ち且つ、糸の入水角は直上に近い状態である。
簡単に考えると、糸は空中部分で直線に近いが水中では水流の抵抗から緩やかな円弧を描く、この円弧が垂直方向に近いか、後方水平に近いかで泳ぎの速度(動き)は変わる。
この状態では、側面移動もなく(後方にテンションが有ると鮎は勝手な動きとなる)コントロ−ルされた状態と言える”止め”動作
前方に竿があり入水角は小さい。
つまり、竿と鮎の位置関係は使用する竿の長さと水中糸の長さが作る円すいの範囲(面積)で決まる。
竿が鮎の直上で有れば糸と竿先が作る入水角の底面積は広い、このうちコントロ−ル範囲は各辺60度以内が作る面積内である。
更に、完全なコントロ−ル範囲は各辺80度の面積と考える
もし鮎が釣り人の上方か下方だとすると竿先と水中糸が作る円すい面積は傾斜した限られた範囲となり、一番長い辺(小さい入水角)はコントロ−ル範囲でなくなる。
釣り人過密河川では、朝、場所を決めると一歩も動けない反して地方の河川では釣り人口も少なく釣り座の間隔は広い。
に、しても、釣り人は動かず必然的に鮎は泳いでいき入水角は小さくなる、となれば、加速度的に泳ぐスピ−ドは早くなり縄張りを通過する時間が短いから”追わない・掛からない”が発生する。
そう、このような現象をいずれの河川でも回避するには釣り座の”半歩移動”或いは”許容範囲の移動”(他の釣り人の容認範囲)が必要である。
注意すべきは、竿と糸が作る入水角&糸の”おばせ”量である糸のテンションによる鮎の姿勢
では、テンションをかけた状態が持続するとどうなるか?
”おばせ”がなく後方から引いた状態となり逆立ち姿勢で自然界では不自然である、鮎の生息行動にこのような姿勢行動は稀である
よほどの大石側面に着いた鮎が適度な水深に生息していたなら、ハミ行動から考えられるが追いを即発するものではない。
確かに、何かの拍子に糸が張り(たばこを吸おうと・・・&場所替えしようと)このような姿勢は考えられるが、それは瞬間的な操作で起こす一瞬の動作であるべきだ。
同様に、前方に竿先がありテンションを掛けすぎた場合も同様の姿勢となる
ベストな状態とは
”張らず、緩めず”が作る遊びの無い状況
鮎はわずかな糸の緩みの範囲のみ自然姿勢となり釣り人のコントロ−ル下に置かれる
”止めの釣り練習”
はっきり言って”こうしなさい”は無い。
竿操作におけるテンションの具合は各人が持つ五感を最大限発揮した時に感ずるものであり”こうすれば判る”は説明できないだろう。
”体で覚える”の一言である。
恥を忍んで陸練習するなら自分のもつ竿の性能を把握することだ(感度の鈍い竿、高感度な竿)、竿が伝えるオトリの動きを感じれるように”竿に慣れろ”ということだ。
具体的には・・・・
普段使用する仕掛け先端に0,5号の重りを付けフィ−ルド環境を想像し入水角を作る。
釣り座を想像し、座る、立つなどの動作から糸にテンションを掛けていく、僅かに重りが動く瞬間が鮎にかけるテンション最大である。
次に、この感覚を掴んだら竿先でどの程度曲がるか把握してみる。
これでいくらかイメ−ジが出来たら”目を閉じ”竿の伝える信号を読み取れるように練習しよう。
これらは、竿の持ち方、構え方で大きく違いが感じれるだろう。
つまりは、相当な集中力が必要とされることが判るだろ・・・
鍛練、鍛練で有るぞ!
実際の釣行では水流抵抗から重く感じたり軽く感じたり”陸練習”とは差があるが十分通用するはずだ。
”張らず、緩めず”を基本に鮎の直上か前に竿先を置き入水角に注意して釣ることです。
鍛練すれば、後方から入水角が小さくても・・
この姿勢を”おばせ”とテンションで回避して留めは出来るようになります。
最後に、近年流行の金属ラインはその特性から”アタリ”とも言える鮎の動きをダイレクトに伝えるが、練習には不向きだ。
信号の緩いナイロン系糸から始めるべきだろう・・
五感は最大限に研ぎすまされる